アメリカ研修旅行第五日目

昨夜は、入国審査の時には持っていないと（嘘の？）申告して、日本から持ってきたカップ・ラーメンをコーヒーメーカーのお湯で３分間、同室の高橋さんと寝る前に美味しく食べたせいかよく眠る事が出来る。成田空港での出発前の事務局の説明では、ラーメンのみであれば申告しても簡単にオーケーになるが、具に肉及び卵類が入っていると乾燥物でも審査が厳しいそうである。しかし、成田空港で捨てるのももったいないし、海外を旅慣れた人の話ではニューヨーク・ケネディ空港の入国審査はあまり厳しくないとの事で、入国審査申告書には「ＮＯ」（持っていない）をチェックしてアメリカへ持ち込んだものである。

ユニオン駅視察後は、班単位のワシントンＤＣ視察の自主研修である。私達の班はローカル列車を試乗するためチケットカウンターの列に並び、空いたカウンターへ行って片言の英語で係員に語りかけると、いきなり「ちょっと待って下さいの表示が出ているのだから、呼ばれるまで来ないで下さい？」と厳しい顔つきで注意を受ける。よく見てみると「ジャスト・モーメント」の表示が卓上に点灯している。日本の駅での習慣もあり初めて利用する我々外国人にはちょっと分かりにくく見落している。先ほどのアムトラックの幹部の話では、経営状況の悪いアムトラックが鉄道再生に向けて、社員全員が一丸になって取り組んでいる趣旨の説明であったが、こんな事で本当に大丈夫だろか。駅視察が予定より大幅に遅れた事もあり、予定の列車に乗れなくなってローカル列車の試乗は断念する。中間のローカル駅なら地上からの架線設備の写真が撮れると考えていたがこれも駄目になる。あきらめて、次の予定の航空宇宙博物館へワシントンＤＣのタクシーを試乗して向かう事にする。

ユニオン駅でタクシーに乗り込み、黒人系の運転手に「ここへ行って」と地図で示したら口で言えとの事。前に何かでアメリカでは字の読書きが出来ない人も車を運転していると聞いた事はあるが本当かも知れない？。地図を見ながら片言の英語を発音するが、ここではちゃんと通じて「オッケー」となる。航空宇宙博物館前へ到着、工事中のためか昨日利用した所定の入口が閉まっているが休館か？運転手が別の入口を探してくれて入館可能である。ニューヨークのタクシーは料金表示器が客から見える場所にあったが、ワシントンＤＣのタクシーには付いていない。運転手が早口で料金を言ったがよく分からない、ナインダラーと聞こえたので１０ドル札を渡して「オッケー？」と確認すると「ブスーッ」としている。チップが不満のようなので、更に１ドルを渡したらニコッとして「サンキュー」となる。ようするに料金が９ドル５０セントで、チップが５０セントでは不満だったのである（チップの相場は料金の１５％程度である）。

航空宇宙博物館では、昨日の団体行動では見る時間のなかった月着陸船などの宇宙関係展示物を見学する。管内のレストランでハンバーガー、ジャンボ野菜サラダ及びコークなどでの昼食をとる。その後、公園を散策しながら歩いてＦＢＩ本部へ向かったが、予約が必要で今日は定員一杯で見学は出来ないとの事である。あきらめてＦＢＩ本部玄関前ほかで記念写真を写し、次の目的であるアメリカ自然史博物館へ徒歩で向かう事にする。

アメリカ自然史博物館では、蒸気機関の発達遷移、内燃機関発達の遷移、電動機発達の遷移を説明した実物の展示品がある。シャーロット号ほかのＳＬ及び幌馬車などの展示物も見学する。アメリカの発展史を見て学ぶ事が出来る。ちなみにワシントンＤＣの博物館及び記念館等はすべて入場無料である。

地下鉄を降りて地上に出ると自分達のいる場所が分からなくなり迷子？となっている。でも大東京での生活経験者、地図から地下鉄の線路方向の関係で方角が９０°違って認識していた事が判明する。後は、碁盤の目に整備された（ここには斜めの通りもあり分かりにくかった）都市であり、地図を便りに難なくホテルに到着する。公式プログラムであるユニオン駅視察の議事録と成果レポート等の作成打合せをする。

今日はレポート作成等の班打合せをするため早めの１６時頃までホテルへ一旦戻る事にして、地下鉄に試乗しながら宿泊しているヒルトン・ホテルに向かう。ワシントンＤＣの地下鉄は駅も車両もきれいで、途中、乗換えがあったがホームが上下位置で直角に配置され、下車ホームから乗換線ホームが見えるなど、乗換えも分かり易くなっている。

夕食は寿司を食べたいという事で４人の意見が一致、徒歩１０数分の所にある寿司屋へ向けて日が暮れた夜道を歩く。ニューヨークの日本料理店「梓」をイメージして「こんにちわー」と店内に入ると、日本人からの予約があったらしく「ニッポン？」と突然に聞かれて、日本人だけど予約している日本人とは違う旨を説明してから席に案内される。カウンターの中にお兄さん達がハッピ姿で６～７人いたが日本人ではない。女性の店員の皆さんも色々な肌の女性が日本の着物とは違う変な着物？を着て、片言の日本語で対応している。「国は何処？」と聞くと「ロシアだよ～」だって。ロシア人、イスパニア人のほかに数ケ国の方が働いている。寿司の味は日本と同じで美味しく、ニューヨークの日本料理店「梓」のような心の和みはなかったが、日本食を食べて４人ともほっとする。また、夜道を歩いてホテルへ戻る。皆、寝不足と異国の緊張から疲れがたまっている、明日はサンフランシスコへの移動日で朝早いので２２時頃ベッドに入る。

キャピタル・ヒルトン・ホテルを９時に出発。アメリカの首都ワシントンＤＣの玄関であり、アメリカ鉄道旅客公社「アムトラック」の本部があるユニオン駅に、今日は研修の公式プログラムとして研修団全員による視察である。アムトラック本部役員の方と駅長からアムトラック及びユニオン駅の説明を受ける。